硬質ウレタンフォーム
数多くの微小な気泡を持った、プラスチックの一種
冷蔵庫や、クーラーボックス、ガスタンクにも使われている断熱材
耐湿性、耐薬品性、そして自己接着性に優れる良素材
1 硬質ウレタンフォームは、プラスチックの一種です。
硬質ポリウレタンフォームや、硬質ウレタンフォーム、などとも呼びます。 ウレタンフォームは2種類の液体(ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物) が原料です。2つの液を混合すると膨らみ、その後徐々に硬化します。 膨らんだフォームの中には、非常に細やかで独立した気泡があります。
ウレタンフォームの高い断熱性能の理由は、気泡です。
この気泡の中に、熱伝導率が小さいガスを閉じ込めることにより、熱を伝えにくい空間の層を作ることができるのです。 そして、断熱性能が高いため、他の断熱材と比較して、経済的な厚みで効果を得られます。
2 様々な物を断熱している硬質ウレタンフォーム
近年、ウレタンフォームは、グラスウールに代わる断熱材として、注目され始めていますが、実は1970年頃から、すでに様々な製品に利用されています。 冷蔵庫や自動販売機、クーラーボックスなどの断熱製品はもちろん、保冷車や、タンクローリー、さらには大型船やLNG船などの断熱にも使われています。
木造住宅ではまだ浸透していないウレタンフォームの吹付工法ですが、鉄筋コンクリート造のマンションではよく使われるようになりました。 各部屋のコンクリート躯体に直接吹き付け、外の温度を部屋に伝えないような工法が、かなり増えてきています。
1849年に物質が発見され、1940年からドイツ、アメリカなどが本格的な実用化を開始しました。現在においてもその汎用性は高く、さまざまな分野での研究が、今も続けられている物質です。
3 高い能力と耐久性を兼ね備えた断熱材
一般的に断熱材は、水分を含むと、効果が落ちます。 水は熱を通しやすいのです。
たとえばスポンジのような柔らかい断熱材は、中の気泡がつながっているため、水分を吸収しやすく、水分が多い場所では、断熱材としての力はもちろん、耐久性もかなり落ちてしまいます。
しかし、ウレタンフォームは、気泡が独立し、水や水蒸気の侵入を防ぎます。 断熱効果の減少が少ないのです。
また、耐薬品性にも優れています。一部の溶剤や、濃い酸以外に対しては、痩せたり侵食されたりしません。海水や、石鹸水、ましては、石油や灯油、動物性の油などにも、反応しません。
そして、自己接着力という素晴らしい能力を持っています。 対象物に直接発泡するだけで、対象物と一体の断熱層を作ることができます。 2液を混合し、硬化するまでの間、ある程度の粘度を持ちながら、自身が接着材のように、触れるものと接着します。 人肌にふれると、1日以上はがすことができないほど、接着力があります。
対象物や使用環境にもよりますが、弊社製品である、ウレタンガルバにおいては、10年以上屋根に接着したまま、自然に剥がれ落ちることはありません。 つまり、比較的劣化しやすい接着材等を使用せずとも、断熱ができるということです。
その他、軽量で、強度に優れています。さらに、カッターナイフなどで簡単に加工もできます。多少の耐熱性があり、100度ほどまでは、安全使用ができます。